ふるさと納税返礼品
タイアップ企画

生産者をたずねて

どうしたらもっと新潟に興味を持ってもらえるだろう?
どうしたらもっと新潟に来てもらえるだろう?

ANAクラウンプラザホテル新潟の料理人たちは、日々考える。

そんなある日、「ふるさと納税」から新潟に興味を持ち、お越しくださったというお客様の言葉にふと思いつく。

「ふるさと納税の返礼品は、新潟らしさが詰まった商品がたくさんあるだろう。その商品を使ったメニューを作ってみてはどうだろうか」。

作り手と会ってみたい、話してみたい。
料理人たちは自らの足で、生産者をたずねた。


総料理長/田村宏晃 -Hiroaki Tamura-
約40年にわたり、ANAクラウンプラザホテル新潟にて洋食の研鑽を積み、現在は総料理長を勤める。クラシックな技法を大切にしながらも、時代に合わせた味わいを追求し続けてきた。地産の食材を生かした料理と、素材の持ち味を引き出す繊細な味わいに定評がある。
・日本エスコフィエ協会 会員


シェフ/佐藤梨恵 -Rie Sato-
調理師専門学校卒業後、バンケット部門の洋食調理、オールデイダイニング シーズンカフェの洋食調理を経て、同店の料理長に。「子供の頃から料理が大好きで、そのままそれが仕事になった」と笑う佐藤は、クラシックなフレンチからカジュアルな洋食まで、幅広い味わいに腕を振るう毎日だ。
・第41回技能五輪全国大会 西洋料理部門 金賞受賞
・司厨士協会 新潟県本部 女子部 副部長


パティシエ/植木健史郎 -Kenshiro Ueki-
北海道で菓子店を営む両親の元に育ち、菓子職人である父親の影響を強く受け札幌の製菓学校へ進学。 卒業後は札幌の有名洋菓子店に勤務。
その後、「赤倉観光ホテル」に勤務、「伊豆ホテルリゾート&スパ」では製菓部門の料理長を務める。 現在ではANAクラウンプラザホテル新潟のチーフパティシエとして腕を振るい、美味を追求している。

メイドイン柏崎。
柏崎が誇れるバナナでありたい。

シモダ産業株式会社 シモダファーム(柏崎市)

Photo: 霜田 真紀子(代表取締役社長)・羽鳥 真亜子(農業係 作業長)


本場フィリピンで食べた、驚くほど甘く濃厚なバナナの味に霜田会長は心を奪われた。

「この味を、柏崎で作りたい。みんなに食べてもらいたい」。

その思いを受け止めた霜田社長が実現したのが、「シモダファーム」だ。

南国フルーツとして知られるバナナを作り出すためのエネルギーは、なんと工場からの排熱だ。

母体であるシモダ産業株式会社は、産業廃棄物の焼却を事業の一つとしている。

その産業廃棄物の焼却の排熱で、バナナを作る。

誰もが驚くようなアイディアを形にし、バナナの生育に適した環境を作り出すことに「シモダファーム」は成功した。

廃棄物の燃焼による熱エネルギーの再利用、すなわち「サーマルリサイクル」によって栽培される国産バナナは、国内で唯一である。

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「越後バナーナ」のハウスを見学した人が口を揃えて言うのは、「バナナってこういう風に実が生るんですか!」なのだそう。バナナ栽培という仕事に魅せられて、魚沼から移住してきたという、作業長の羽鳥さんに話を聞いた。

田村/ 雪国でバナナができるなんてびっくりでした。そもそも、どうしてバナナだったんですか?
羽鳥/ 元々、本場フィリピンで食べたバナナの味に感動した会長の霜田は、「柏崎でバナナを栽培し、日本でも本場のバナナの美味しさを届けたい」と考え、社長の霜田がその思いを受けてシモダファームを設立しました。ただ、雪国の新潟でバナナを栽培するために莫大なエネルギーを費やすのはエコではありません。社長の霜田が目指したのは、24時間稼働している産業廃棄物焼却炉の排熱を利用し、できるだけエコに、また、農薬を使わずにバナナを育てることでした。
田村/ 試食させていただきましたが、甘くて香りもよく、もっちりとした食感のバナナですね。完熟すれば食べられる、皮の薄さも驚きです。
羽鳥/ 一般的な輸入バナナは実が青く皮が厚いうちに収穫されるのですが、私たちの「越後バナーナ」は樹上で長く育ててから収穫し、出荷することができます。ですので、甘くもっちりとした味わいが楽しめることに加えて、完熟すれば皮まで食べられます。味はもちろんですが、葉はタイ料理店で蒸し料理に利用され、実をつけ終えた苗は乾燥させてバナナペーパーにするなど、SDGsにも配慮した農業を営んでいます。
田村/ 味だけではなく、環境にも配慮されている点も素晴らしいですね。今回はこの特別なバナナで、パンを作って朝食のお客様に楽しんでもらおうと思っています。
羽鳥/ 「雪国のバナナ!」と驚いてもらいたいですね。「越後バナーナ」は「グロスミッチェル種」という、今ではなかなかお目にかかれない珍しい品種で、「幻のバナナ」とも呼ばれているんです。ぜひ楽しんでもらいたいです。
【ふるさと納税について】
贈答などで県外の方が購入してくださることが多かったのですが、ふるさと納税に出すようになってからは、特にその傾向を感じます。一度注文された方が定期便を注文してくださることも多く、リピートしてもらえるのは味を認めてもらえた証で嬉しいですね。柏崎は海の街のイメージが強く、海水浴シーズン以外は観光の方も少ないのですが、「越後バナーナ」を通じて柏崎を知り、訪れる方が増えればとても嬉しいです。

素潜り漁は命がけ。
だからこそやり甲斐がある。

鯨波foodbase(柏崎市)

Photo: 中村 伸哉(代表)


大学進学を機に一度柏崎を離れたが、やはりあの美しい海、「鯨波」と共に生きたいと、卒業後は地元に戻った中村さん。

漁獲から加工までを一貫生産するという、柏崎でもめずらしい水産加工場が「鯨波foodbase」だ。

文字通り命がけの「素潜り漁」だが、獲ってきた海の幸は、満足のいく買い取り価格ではなかったと言う。それならば、自分で獲って加工し、販売までしてしまおうと考えたのが四年前のことだ。

たった今、目の前の海で獲ってきたものを、自分の手ですぐに加工する。

効率化が求められる時代に逆行しているとは思ったが、素潜りで捕ったもずくやサザエの美味しさをそのまま伝えられるのは、自分のやり方だと自信があったと、中村さんは笑顔で言った。

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鯛茶漬けで有名な柏崎では、鯛はもちろん、もずく、サザエ、牡蠣など、海の幸が豊富だ。地産地消が基本の新潟県で、柏崎も例外ではなく、これらの海の幸は主に地元の人が消費していた。それでも、国内のどこにいてもこの味を楽しんでもらいたいと考えた中村さんが選んだのは、新鮮なまま味わいを閉じ込められる瓶詰めだった。
田村/ もうね、蓋を開けた瞬間に、これを肴に一杯飲みたいなって思っちゃいましたよ。笑 サザエの身のやわらかさにも驚きました。瓶詰めはどうしても硬くなるイメージがあったのですが。
中村/ やわらかいでしょう?獲ってすぐ加工するのがポイントですね。やっぱり味が違う。お酒好きにはたまらないですよ、このオイル漬け。プレーンはビールやワイン、味噌は日本酒、焦がし醤油は焼酎に合わせると最高です。普通の瓶詰めと違って、肝も入っているので、料理に使うのもおすすめです。
田村/ 瓶詰めに肝も入っているのはめずらしいですが、肝もすごく美味しいですね。素潜りってすごいですね。相当な体力がいりますよね?
中村/ 本当に海に潜るのは命がけです。子どもの頃から、近所の素潜り漁師を見て育ったので、憧れていたんですよね。せっかく地元に戻ってきたからには、やってみたいという思いがありました。とはいえ、サザエでは3〜4メートル、もずくでは6〜7メートル潜ります。海の中にいるのはだいたい1分半くらいで、結構きついです。73歳のベテランの方とパートナーを組んで潜ります。
田村/ 73歳!すごい!
中村/ 大ベテランです。私と同じくらい獲りますからね。潜るのはきついし、危険もある。ロープに足が絡まったりすることもありますからね。それでもやっぱり楽しいんですよね、この綺麗な鯨波の海に潜るのは。そして、お客さんからの「美味しかった!」に何よりも元気をもらっています。
田村/ サザエともずく、特にもずくは「和食」のイメージが強いとは思うのですが、私は洋食の料理人なので、今回はもずくは洋風もずく酢に、サザエはジェノベーゼ風に仕上げました。お客様に召し上がっていただくのが今から楽しみです。
【ふるさと納税について】
ふるさと納税をきっかけに、知らない土地の知らなかった名産品を知ることってよくあると思うんです。このもずくや瓶詰のサザエで柏崎を知って、美味しいものを楽しみに柏崎を訪れる人が増えたら嬉しいですね。

麹は生き物。
大変だけど、面白い。

株式会社 越後みそ西(柏崎市)

Photo: 杤堀 佳倫(専務取締役・みそソムリエ)・西巻 洋一(製造部 部長)


麹は生き物、発酵は生き物だと、越後みそ西の西巻さんは言う。

気温で変わる、時間で変わる、発酵の具合で味が変わる味噌は、昔は熟成期間の変化を楽しむものだった。

蔵や樽に根付いて、その場所独自の味や香りを生む微生物「居つき菌」たちが、味噌の味わい深くする。
二百年を超える味噌樽や、蔵そのものが、宝物。

数年前からの発酵ブームで、味噌が好き!発酵食品が好き!という若い方も増えたのだそう。

古くて新しい、発酵、そして味噌の話を、香り豊かな味噌蔵で聞かせてもらった。

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創業は天保二年という、老舗中の老舗、越後みそ西。新鮮な地場野菜を使った味噌漬けも有名だが、「とにかく、基本は味噌」だと言う。優れた麹が美味しい味噌を作り、美味しい味噌が美味しい味噌漬けを生み出すのだ。
田村/ 味噌のいい香りが、マスク越しでもわかります。天保二年というのは、西暦でいうと1800年代ですよね。この樽も相当な歴史があるということですね。
西巻/ 年代物です。一番古い樽ですと、二百年ものですね。味噌蔵だけではなく、酒蔵さんもそうですが、震災などで樽や蔵が失われると、菌がいなくなってしまうんですよ。機材や材料が揃えば再建できるでしょう?とよく言われますが、蔵や樽に居ついていた菌がいないくなってしまうと同じ物は作れないんです。この樽を修繕できる職人さんも、今では日本に一人しかいないんです。
田村/ この蔵そのものが、みそ西さんの味噌づくりには欠かせない存在なんですね。職人の世界ではどこも後継者不足が深刻で、あちこちから嘆きの声が聞こえてきていますね。
西巻/ この樽が壊れたらどうしようと、ひやひやしています。味噌には、米味噌、八丁味噌とも呼ばれる豆味噌、麦味噌の三種類があるのですが、うちは米麹の米味噌。長めの熟成で、熟成期間はだいたい三ヶ月くらいですね、冬だと四ヶ月くらいかかるかな。大手メーカーさんの2〜3倍くらいの熟成期間です。ゆっくりじんわり熟成させることで、深い味わいが出せるんです。今では味噌漬け用の調味液に漬けた味噌漬けが市場には多いのですが、うちでは普通の味噌に三回も漬ける。我ながら馬鹿だよねえ。笑 昔ながらの製法で今もコツコツとやっているんですよ。
田村/ いやいや、その真面目で正直な製法だからこその美味しさですよね。野菜の旨みがこくのある味噌に移り、一層美味しくなっていました。この味噌漬けの残った味噌で焼きおにぎりも作ってみたのですが、本当に美味しかったです。
西巻/ うちの味噌漬けは自信を持って美味しいと言えますが、だからといって、味噌を溶かした調味液で作った、比較的手頃な味噌漬けを否定するつもりはありません。高級品だけになってしまえば、いずれ廃れてしまう。気軽に買える味噌漬けがあるからこそ、「味噌漬け」という文化が今も生き続けているのだと思います。
田村/ 確かに。今は昔ほど、味噌の消費というのはないのでしょうか?
西巻/ それがそうでもないんです。十年ほど前から発酵ブームでして、若い方で味噌や発酵食品を好まれる方が増えています。混ぜた状態で、お客さんが自宅で発酵熟成させる「仕込み味噌」というものがあるのですが、ここ十年くらいは買う方が増えてきました。
田村/ それは嬉しいお話ですね。今回は、オーソドックスに味わっていただく味噌汁と、洋風に味噌のコクを生かしたグラタンをご用意しています。味噌汁は言うまでもなく基本であり王道の味ですが、洋食に少し取り入れることで広がる美味しさも、ぜひ知ってもらいたいですね。

【ふるさと納税について】
みそソムリエとは?という問いに、専務取締役であり、みそソムリエでもある杤堀さんはこう答えた。 「味噌の知識を正しく、そして幅広く持ち、味噌の普及に努めることが、みそソムリエの使命です」。 ふるさと納税もその一環として取り組んできた結果、みそ西の味噌を気に入り、定期便を利用する方が増えたという。 「発酵は土地ごとに個性があります。ふるさと納税をきっかけに、味噌のファンだけでなく、柏崎のファンにもなっていただけたら嬉しいですね」

挑戦し続ける。
大きな壁を越える米を作りたい。

株式会社アグリスペース(柏崎市)

Photo: 上杉 英之(代表)


新潟県柏崎市の中山間地。海と山に囲まれた自然豊かな土地で、「アグリスペース」の上杉さんは、自然にも身体にもやさしい農業を目指し、日々試行錯誤を重ねている。

「食べる人、作る人が共に食を楽しみ、共に学ぶ。ひとつの田んぼに笑顔を集める。」をテーマに、農薬や化学肥料に頼らず、コシヒカリ〈輝き〉、特別栽培農産物認証のコシヒカリ〈穂香〉、そして新潟県ブランド米〈新之助〉など、名だたる米を育てている。

もともとは別の仕事をしていた上杉さんは、脱サラして農業の世界へ飛び込んだのだそう。

現在は、柏崎市が定めた品質・美味しさ・栽培方法などの基準をクリアしたコシヒカリ、柏崎市認証米「米山プリンセス」にも挑戦を続けている。

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国内外にその名を轟かす、「魚沼産コシヒカリ」の美味しさを数値化した「食味値」は平均82〜83点とされる。その「食味値」をさらに超える85点以上で、初めてその名が与えられるのが、特別なコシヒカリ、柏崎市認証米「米山プリンセス」だ。
田村/ 柏崎市役所の方に、「米山プリンセス」の認証はとても厳しいと聞きました。どのくらいの合格率なのでしょうか。
上杉/ その年ごとなので、何割と言うのは難しいですが、例えば昨年で言うと、30農家が参加し、認証されたのは5農家でした。
田村/ 5ですか!それはすごい。狭き門ですね!
上杉/ 一等米のコシヒカリであること、1.9ミリメートル以上の粒の大きなお米であること、「新潟県特別栽培農産物」または「有機JAS認定米」であることなど、様々な条件があるのですが、何より難しいのは、食味値85点以上、タンパク質含有率6.0%以下という条件です。これは本当に難しい値でして、あの有名な「魚沼産コシヒカリ」の平均を超える値なんです。タンパク質が多いと、甘みや粘りが減り、ちょっとぱさついた食感になってしまうんです。
田村/ ここは柏崎の海と山が望め、「米山プリンセス」の名の由来にもなった「米山」も見える、本当に素晴らしい場所ですね。「米山プリンセス」を栽培するのに平地ではなく山間地を選んだのには、何か理由があるのでしょうか。
上杉/ 何よりも、水が澄んでいることです。下流になると生活用水の排水なども含まれ、栄養分のある水になってしまうんです。栄養のある水はタンパクの上昇に繋がるため、「米山プリンセス」には向かなくて。それに、柏崎では水の管理に地元の方々がとても協力的。おかげで素晴らしい水が豊富にある。欲しい時に欲しいだけ使える水があるというのはとてもすごいことです。今年のように日照りが続くと、より強く実感します。
田村/ なるほど。この美しい山が、美しい水をもたらすわけですね。最後にちょっと下品な質問になってしまうのですが、なぜ「米山プリンセス」を作ろうと思うのですか?儲けを考えるのであれば、手間がとてもかかるが認証される保証のない「米山プリンセス」ではなく、普通のコシヒカリをたくさん作る方が儲かりますよね?
上杉/ うーーーん。笑 そうですね、一言で言うと「挑戦」なんです。85点のコシヒカリというのは本当に難しい。天候にも大きく左右されますし、どれほど手間をかけてもその苦労が報われるとは限らない。けれど、85点という大きな壁を越える米を作りたいという想いがある。多分「米山プリンセス」を作っている農家さんはみんな同じ想いかと。「挑戦」、これに尽きますね。
【ふるさと納税について】
ふるさと納税に出すことで、大勢の人に「柏崎市」の魅力を知ってもらい、訪れてもらいたいと思います。アグリスペースの「米山プリンセス」はまだ生産量が少なく、ふるさと納税には出せていないのですが、近い将来「柏崎市」のふるさと納税といえばこれだ、という存在になりたいですね。
※現在のところ、ANAのふるさと納税の返礼品には含まれておりません。

料理だけに集中できる、
それが至上。

小林工業株式会社(燕市)

Photo: 小林 貞夫(代表取締役社長)


「銀のカトラリーは素晴らしい。けれど価格の面でも使い勝手の面でも、日常品ではなかった。一般の人が日常で使える高級品を造りたい。それがこのモノづくりの街、燕市の職人たちの願いだったんです」。

飲食業に関わる者であれば、その名を知らぬ者はいない、老舗カトラリーブランド「ラッキーウッド」こと、小林工業株式会社の小林社長はそう語る。

「一般の人が日常で使える高級品」。銀の代替として選ばれた素材とは、クロムを含有するステンレスだった。丈夫で、使い込むほどに美しい、ステンレスカトラリーの量産。それは一社の偉業ではない。燕市の職人たちが自分たちの生き残りをかけて協働し、文字通り「一丸となって」成しえた、戦後最大のビジネスだったのだと言う。

抜き、焼き入れ、磨き。全ての作業には熟練した職人の技が必要だ。手間をかけ、妥協を許さず造り上げたカトラリーだが、使う人の印象に残る必要はないと、小林社長は笑う。

「本当に良いカトラリーとは、料理だけに集中できるカトラリーだと思うんです。カトラリーを意識することなく、ただただ料理を美味しく食べられる。それこそが我々が目指す、至上のカトラリーです」。

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新潟ではまだ馴染みのない、デザートのみのコース「アシェット・デセールコース」に挑戦するのはパティシエの植木だ。「ラッキーウッドの名前はあまりにも有名で、コラボさせていただけると聞いた時はびっくりしました。それならばぜひ、食材もMade in Tsubameでと考え、試行錯誤しました」。さて、その味わいは?
植木/ ラッキーウッドさんの工房を見学させていただけるなんて感激です。使いやすさでも品質の高さでも、ラッキーウッド製品は国内外に知られていますし、当ホテルでもレストランやバンケットで使わせていただいています。
小林/ ありがとうございます。おかげさまでホテルさんや飲食店さんでは、かなり多くのシェアを占めさせてもらっています。
植木/ 漠然と、ステンレスの板を型抜きして作るのだろうとは思っていましたが、見学させてもらって驚きました。あれほどたくさんの型と、多くの工程があるんですね。
小林/ びっくりしたでしょう?フォークを一本作るにも、型は一つじゃないんです。抜き、バリ取りと呼ばれる研磨、磨き、時には飾り。熟練した職人が手作業で行っています。
植木/ 持った時のこの、なんと言うのでしょうか?しっくりくる感じ。手に馴染むこの感触。これは全ての工程を機械で作った製品とは全く異なりますね。
小林/ もちろん機械化できることは機械化していきますが、「職人の手でなければできないこと」はなくならない。このやわらかさ、なめらかさは機械だけでは生まれないんです。持った瞬間、違いがわかる。
植木/ AIが全ての仕事を奪うなんて怖い話もありますが、工房を見せていただいて様々な工程を知った今では、まだまだ大丈夫だと思えますね。
小林/ AIはきっと、様々なことができるようになるでしょう、それも遠くない未来に。我々とAIとの決定的な違いは、我々はこの仕事を楽しんでいるんです。「この仕事を楽しんでいないと、奇跡は起こせない」。職人たちが日々カトラリーに向かい合うその表情を見る度にそう思います。追い付かせない、奪わせない。我々の指先より早く正確に「造る」ことはAIにも決してできない。それには自信を持っています。

【ふるさと納税について】
「あなたの所の商品を買いたくて百貨店で探しても、最近はなかなか見つからなくて。ふるさと納税で見つけて嬉しかった」そんな声をお客様からいただきました。
「Made in Tsubame」、燕市、つまり国産の商品なのに、日本の方にはなかなか手に取ってもらえないというのはさびしいことでした。
ふるさと納税で、日本の方が日本の地場産業で造られた製品の良さに気付いてくれた、帰ってきてくれた、そんな思いです。
海外では「Made in Tsubame」の製品は人気です。外国の方に人気なのももちろん嬉しいですが、やはり日本で認められたい。
自分の国で作って、自分の国で売れるのがベスト。そういった意味でも、今後もふるさと納税への期待は大きいです。

雪と水とが
美味を育てる。

株式会社 内山肉店(南魚沼市)

Photo: 内山 治彦(代表取締役社長)


30トンを超える雪がこの中にある、という大きな扉は「雪温貯蔵(せつおんちょぞう)」と呼ばれる天然の冷蔵庫。
この中に肉を貯蔵することで、ただ貯蔵しただけでは得られない、特有の味わいが生まれる。

天然の雪を利用する「雪温貯蔵」は肉の熟成を助け味わいを深めるが、それだけではない。
肉の熟成には美味しい水が不可欠だ。言わずと知れた銘酒「八海山」と同じ仕込み水を使っていることも、雪温貯蔵の食肉の大きな特徴だ。

「ここ南魚沼は雪国。お酒、米、雪、雪から生まれる水。この全てが揃う場所なんです」と社長の内山さん。

この場所だからこそ造ることができた味わいを、県内外の人に知って欲しいと熱く語った。

HP魚沼の里HP(レストランYUKIMURO WAGYU UCHIYAMA)

内山肉店さんの返礼品を使い、今回佐藤が作ったのは「雪ひかりポーク&にいがた和牛合挽ハンバーグ」のオムレツ、「雪ひかりポークのベーコン」をすずまさ農園さんのかぼちゃ「ikka」とともにベシャメルソースでグラタンに。そして「雪温貯蔵 にいがた和牛カレー」をナスと一緒にラザニアに仕上げました。
佐藤/ 「雪ひかりポークのベーコン」は、焼くときに油がいらないくらい。ベーコンから出てくる美味しい脂だけで焼いてグラタンを作りましたが、小さくカットしても旨みがすごい。
内山/ 「雪」が熟成した味わいなんです。雪室に一週間入れただけでも美味しさは倍増します。
佐藤/ カレーも濃厚なルウにやわらかなお肉がゴロゴロと入っていて、ナスと合わせたら最高の味わいでした。「雪ひかりポーク&にいがた和牛合挽ハンバーグ」は、朝食の一番人気のオムレツにしました。その使い方は贅沢すぎるのでは?とためらいもありましたが、この美味しいハンバーグを具材にして作ったオムレツをお客様に味わっていただきたいと思いまして。
内山/ オムレツにというのは意外でしたが、雪室で熟成し、甘みの増した肉、特に豚肉は美味しくなりますからね。オムレツにしても負けないでしょう。
佐藤/ お肉に自然な甘みがあり、ジューシーでたっぷりの肉汁。うちのシェフたちにも試食してもらいましたが、皆びっくりしていました。実際にお客様にお召し上がりいただくのが楽しみです。
内山/ 八海山は雪の里。肉は雪で熟成され、そして雪から生まれた水がさらなる肉の美味を引き出すんです。
【ふるさと納税について】
ふるさと納税において、松坂牛や神戸牛などブランドミートは数多いです。
味では負けないと思っていますし、何よりもこの美しい八海山の雪で肉を熟成するというストーリーもある。
酒、米、海鮮の新潟に、こんなに美味しい肉があるのかと皆さんに知ってもらいたいと考えています。

ひとつひとつに
愛着がわく。

すずまさ農園(新潟市)

Photo: 堀 将大(代表)・堀 美鈴

元々は関東でシステムエンジニアとして働いていたという、異例の経歴を持つ堀夫妻。  

新潟へのUターンをきっかけに、以前から興味のあった農業に取り組むことにし、2016年2月、海沿いに広がる砂丘地畑の一角でスタートしたのが「すずまさ農園」だそう。  

長く耕作されていない畑を借り、松の木を抜いて開拓するところから始め、同じ地域のベテラン農家さんに二年間野菜づくりを学びました。

そこで身につけた技術をベースに良いと思ったことを積極的に取り入れ、自分たちの考える「おいしい野菜」をつくれるよう、日々奮闘されているそうです。

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すずまさ農園さんの返礼品、2022年の野菜ソムリエサミットにて金賞を受賞した「かぼちゃ ikka プレミアム」を使って佐藤が作ったのはシンプルなグラタン。「衝撃を受けた」と佐藤が言う、特別なかぼちゃとは。
佐藤/ かぼちゃは好物で、仕事でもプライベートでも料理しますが、このかぼちゃは本当に衝撃でした。かぼちゃがこれほど甘くなるとは考えてもみませんでした。
堀/ このかぼちゃは「ikka(いっか)」の名の通り、「一株一果」で育てています。一株で三~四個を作るのがかぼちゃでは一般的なのですが、贅沢に「一果」で育てました。一株一果ででんぷん量が増しホクホクの食感になり、追熟を長めにすることでこの甘さが生まれるんですよ。
佐藤/ このホクホク、この甘さ。できるだけそのまま味わってもらいたいと考えまして、大きめに切って、内山肉店さんのベーコンと一緒にベシャメルソースでグラタンにしました。
堀/ 「甘さなんて砂糖を入れれば一緒じゃないか」と言われることもあるんですよ。
佐藤/ とんでもない。料理する際に砂糖を入れた甘みと、かぼちゃそのものが甘いというのは全然違います。試食したシェフ、スタッフの全員が「甘い!美味しい!」と叫びました。
堀/ わかっていただけて嬉しいです。この栽培方法でかぼちゃを育てるのはとても手間がかかるんです。でも、その分ひとつひとつに愛着がわきますね。
【ふるさと納税について】
県外の方には新潟は米、酒のイメージが強くあると思います。ですが、野菜や果物などの農産物もとても美味しい。その美味しさが知られていないのは残念なことです。
ふるさと納税を通じ、新潟の美味しい農産物のことをもっと知ってもらえたら嬉しいです。

美酒が生み出す
新たな味わい。

有限会社 西沢珍味販売(上越市)

Photo: 永野 富士夫(代表取締役)


お土産になる商品を開発しようとしていた先代が、日本酒「能鷹」の田中酒造さんから提案を受け、「能鷹」を使った珍味を作ったのが始まりだという「西沢珍味販売」。

「珍味はどうしても硬くてしょっぱいというイメージがあった。うちの製品は年配の方でも食べやすいやわらかいものを目指したんです。新潟は美味しいものの宝庫だが、とかくお酒、米に偏りがち。美味しい海産物も多くあるが、鮮魚はお土産にはちょっと難しい。加工品はいつでもどこでも食べてもらえるし、お土産にも向いている」と社長の永野さん。

お土産を貰った人が、新潟に興味を持ってくれればなお嬉しい、そして新潟に来る人が増えるのが理想と笑顔で語った。

HP

西沢珍味販売さんの返礼品、「清酒漬け貝柱」、「素干し南蛮えび」、「ワイン漬けほっき貝」。珍しい三つの食材を、佐藤は旨みたっぷりの炊き込みご飯、素材を味わうふりかけ、爽やかなマリネに仕上げた。
佐藤/ 「珍味」と名のつく物には、硬いイメージがあったんですが、西沢珍味さんの珍味はどれもやわらかくしっとり。「清酒漬け貝柱」の炊き込みご飯は、お酒の香りがふんわり漂い、貝柱の旨みと相まってなんとも美味しく炊き上がりました。「素干し南蛮えび」はあまり手を加えずこのままお客様に味わってもらおうと、軽く煎ってふりかけにしました。
永野/ 貝柱もほっき貝も硬くなくて美味しいでしょう?「素干し南蛮えび」は十年くらい前に東京のアンテナショップから、上越産の南蛮えび販売したいと提案を受けて開発したんです。「生で美味しい南蛮海老を干してしまうなんて」と魚市場の親方から怒られたこともありました。
佐藤/ えびの香りは煎るとさらに際立つので、炊き立てのコシヒカリに乗せて楽しんでもらいたいです。「ワイン漬けほっき貝」は、ワインならば洋風にアレンジしたいと思いまして、地産の野菜とマリネにしました。朝食にはさっぱりした物を好まれるお客様も多いため、人気メニューになりそうです。
永野/ ワイン漬けのシリーズは女性にも人気なんです。珍味と言うと酒の肴に思われがちですが、「ワイン漬けほっき貝」はそのまま召し上がる方も結構いらっしゃるようでして。
佐藤/ そのまま食べても美味しい物をさらに美味しく。贅沢な朝食メニューになりました。お客様の反応が楽しみです。
【ふるさと納税について】
新潟のお米、お酒はもちろん美味しいですが、他にも美味しい物がたくさんある。当社の地酒漬け珍味のように、お酒から派生した新しい美味も次々生まれている。
ふるさと納税を通じて、県外のお客様にお酒やお米以外の美味しい物も知っていただき、新潟に興味を持ってもらう、できれば実際に新潟に来てもらいたいですね。

ANAあきんど株式会社

観光振興、産農振興、インバウンドの受け入れ体制・環境整備、ANAのふるさと納税の展開などを主とした、地域創生事業を展開。

日本最大の国内線ネットワークを持つ航空会社として、ANAマイレージクラブ会員を中心としたお客様と国内各地域をつなぎ、地域創生の一翼を担うことを目的に、2016年4⽉に「ANAのふるさと納税」サイトを開設。

「ANAのふるさと納税」について、詳しくはこちらから。

「ふるさと納税返礼品 タイアップ企画」

アシェット・デセールコース〈夏〉

アシェット・デセールコース〈夏〉は、燕市の「選べるカトラリー事業」×ANAあきんど株式会社の、コラボレーション企画で提供されたカトラリーを使用しています。

■会場 ANAクラウンプラザホテル新潟 16F 
スカイバー リオンドール
■期日 2024.8.25(日)/9.1(日)/9.8(日)
■時間 1部/12:00pm~1:30pm
2部/2:30pm~4:00pm
※各回限定6名様
■料金 ・お一人様/¥6,000
※消費税・サービス料込
16階、地上60メートルからの眺望とともにお楽しみください。